BNIをやってみた感想

税理士になるにはいくつかルートがあるのですが、大体どのルートでも多少の実務経験は必要になりますし、知らないことがあっても相談できる知り合いがいることがほとんどです。

なので税理士資格を持っていないと独立開業できない以上、どんな税理士でもなんだかんだ実務処理はできます。（処理が合っているかどうかは置いておいて、）

よって税理士事務所として食べていくのに問題となるのが集客なのですが、先輩独立税理士に相談すると、みんな「紹介でお客さん増やしてるよ。」と教えてくれました。

「そういうもんなんや。」と思った私は、いわゆる異業種交流会というものに山ほど参加しました。

その異業種交流会にも色々な種類があるのですが、その1つが今回のテーマのBNIです。

普通の交流会は、その日始めて会った色々な業種（保険屋さん、士業、怪しい商材屋さんetc.）の方々と名刺交換をして、お互いのビジネスについて話すのですが、BNIは少し違います。

BNIは、数10人のグループ（私の時は40人くらいでした）を作り、毎週同じグループのメンバーと定例会で会って（私の時はZoomでした）、お互いの信頼関係を育んでいくという構造でした。

なので、普通の交流会と比べると初めて会える人の数は減るのですが、その分、異業種の方々とそこそこ深い関係で仲良くなることになります。

それで仲良くなれたら、異業種どうしで仕事を紹介し合うというのが理想の流れです。

紹介はなかなか貰えないのに、とにかく時間がとられました。

毎週定例会をやるので、その準備やミーティングがあったり、BNIの考え方を学ぶ研修への参加が推奨されていたり、メンバーどうしでの会食もありました。

1度、1ヵ月にどれくらいの時間をかけているか集計を取ってみると、平均週20時間くらいBNIに時間をかけていました。

結局仕事の紹介が貰えないのも、時間が取られているのも自分が悪く、BNIを上手く活用出来ている税理士もいる以上、BNIを活用出来なかったのは自分のせいです。

独立開業すると同時にBNIに入会して、結局1年9ヵ月在籍していました。

今振り返ってみると、独立開業した時点ではBNIは凄く魅力的で、入会するのは致し方なかったと思います。

しかし長くても1年で辞めるべきでした。
理想は半年で辞めるべきでした。

BNIの同じグループのメンバーと会食で話していると、
「BNIを上手く使いこなせないヤツは、どこ行ってもダメだ。」
「BNIのこのメンバーの考え方が市場そのものだから、このメンバーのニーズを聞いてそのニーズに自社のサービスを寄せていかないとダメだ。」
などの意見をたくさん聞いて、「そういうものなのか。」とずっと悩んでいました。

分かりやすくするために敢えて乱暴に言うと、そのBNIの同じグループのメンバーが税理士に求めているサービスは「下請け」でした。

自社の経理業務が面倒なので、「面倒なことを安くやります」というヤツに任せたいというニーズでした。

私は、税理士業界でずっと頑張ってきて、簡単な作業（たくさんのレシートをひたすら日付順に並べ替える）から難しい業務（年商100億円の会社同士の合併提案）まで幅広くこなしてきたプライドがあり、「面倒なことを安くやります」をしたくありませんでしたし、それをせずとも世の中の役に立てる自信がありました。

でも、「BNIを上手く使いこなせないヤツは、どこ行ってもダメだ。」という呪いにかかり、辞めることを躊躇してしまい、結局1年9ヵ月も在籍してしまいました。

今BNIを辞めて、9ヵ月程経ちましたが、「BNIを上手く使いこなせない私ですが、どこに行ってもダメ」ということには当然なりませんでした。

今爆発的に自分の事業が上手くいっているわけではないですが、やりたいこと・やるべきことに明らかに時間をかけることができて、良くなっていっているのを実感しています。

私がBNIを辞められなかったことを後悔している理由を言語化すると、
「楽して人から施してもらう道を断ち切るのが怖かった。」
「ここまで人間関係を築くのに時間もお金もかけたので、損切りが出来なかった。」
ということになります。

人生は限られた時間しかない中で、結果を出さないといけないのに、他人に依存して結果を託している時間はありませんよね。

もしこの文章を読んでいる方々の中に、BNIを辞めようか悩んでいる人がいたら、「BNIを活用できなくても、仕事が上手くいく人はいるに決まっている」ので、私は背中を押したいです。

今日はこんな感じです。
読んでくれてありがとうございました。

ほたえ

管理人

38歳・男・既婚・子供なし・税理士である私が気ままに文章を書いています。